2019年01月04日|ブログ
年末年始に8年間におよぶ、
図解の活動を振り返りました。
前々職・古河電工でタイ工場の社員と図解で会話し、
図解で日本・タイのメンバーが一致団結した。
それが私にとって図解の原点だと、
改めて追認することができました。
詳細を書き連ねて見ましたので、
ご報告申し上げます。
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1)私がやりたいこと=社会のお役に立てること
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コミュニケーションを図解し、図解でご縁をつなぐ
なんだなぁ〜と再認識ました。
表現を変えると、
共通言語を作って、図で解り合う。
その結果、一致団結して気持ちよく行動できる。
上記のような環境を、図解で創出したい。
それが私のやりたいこと。
具体的にプロセスに書き出してみると、
以下の3つになります。
①心を解し、自己開示(感情の解放)
→正直になれる、そして...
・自分の本音が解る
・自分を受け入れられる
・相手を受け入れる余裕ができる
②問いを立て、答えと理由を共有(意志の発散)
→言葉にできる、そして...
・空白に書き出せる
・〜を〜する(〜が〜する)と文書にできる
・書き出せない余白に気づける
③因果関係から、構造化する(思考の収束)
→全体像がわかる、そして...
・本質がわかる
・可能性がわかる
・行動力がつく
その結果、
共通言語が創られ、図で解り合う。
一致団結して気持ちよく行動できる。
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2)背景
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<心を解し、自己開示(感情の解放)>
一般常識とか、親から言われた決まりごととか、会社の役職とか、
鎧を着飾って自己開示できず、自分にも他人にも正直でない方には、
共感できない私がいるから。
また、正直な人とは、
一緒にいたいと思うし、
一緒に働きたいと思うし、
一緒に何かを共創したいと思うから。
お互い解り合える。
<問いを立て、答えと理由を共有(意志の発散)>
言葉の定義は人によって違うから。
「健康的」という誰もが理解できる言葉でも、
個々人によって定義が違い、イメージも違うことを、
都立病院の看護師研修で体感した。
それは、日産自動車で13カ国を担当していた時、
「As soon as possible(今すぐに)」と指示を出しても、
回答スピードがバラバラだった苦い思い出と同じ。
だから、言葉の定義を合わせるために、
問いを立て、その回答と理由を関係者全員が理解すると、
お互いの意志を解り合え、言葉が共通言語になり得る。
<因果関係から、構造化する(思考の収束)>
言語化された個々人の意見をつなぎ地図を作る。
点と点を、線にする取り組み。
言いたいことを言い合って、結局まとまらず、
モヤモヤが残るという不満
また、声が大きい人の意見が採用されたり、
多数決で決定されてしまい、
自分の意見が反映されず自分ごとになれない不満もあり
更に、個々人の意見は、
人によって、抽象的だったり、具体的だったりして、
抽象度が整わない言語は、一見解りにくい。
だから、
発散したら、必ず収束が必要。
具体的には、ロジックツリーで、
抽象的な意見を具体化し、具体的な意見を抽象化する。
その過程で、個々人の意見を構造化する。
その結果、地図を見れば、誰もが同じ認識をするように、
組織やチームの方向性と、個々人の居場所が明確になり、
個々人が安心して、前へ走れるようになる。
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3)原点回帰
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上記のプロセスは、私が古河電工タイ工場で、
言葉が通じないタイ人とのコミュニケーションを図解し、
自立型の組織を創ったプロセスであると追認しました。
1、心の解放
当時、日本人駐在員は、日本の仕事を事例にし指導した。
当たり前だが、タイ人には抽象度が高すぎて難しかった。
だから、私は、部下が大好きなケーキを事例に、製品のコストを体系的に教えた。
大好きなケーキがネタだったので、
タイ人の部下も、陽気に本音を話してくれた。
そこで分かったことは、
「分からないと言うと、日本人に怒られるから、分かったと言うようにしていた」と言う、
衝撃の事実
「分からない部分を、僕は知りたいから、遠慮なく絵に書いて教えて欲しい」
と伝えたら、その瞬間から、会話が弾んだ。
つまり、自分は全て理解できないことを受け入れると、
タイ人の部下は、私の話を受け入れる余裕が生まれた。
日本人に評価されるために、頑張る!
それが、虚栄心を呼び起こしてしまい、
部下は空回りしていたのでした。
2、意志の発散
「タイ人は問題意識が低い」
と決め付ける日本人駐在員もいた。
しかし、なぜ、残業が多いのか?
と言う問いを立てたら、
部下たちが、曜日別に仕事を書き出して、棒グラフで表現した
・縦軸に仕事の数
・横軸の曜日
仕事ごとに所要時間が違うので、
正確な比較にならないけど、
明らかに、月曜日と木曜日の仕事量が多く、
明らかに、水曜日の仕事量が少なかった。
例えば、
この仕事は他の日本人からこの日にやれと言われたが、
今となっては、水曜日でも問題ない。
月曜日の仕事を減らすためには、
古河電工の日本側で金曜日に必要な情報を準備して欲しい。
と、タイ人の部下たちが伝えてくれた。
つまり、タイ人は、問題意識が低いのではなく、
自分の考えと意志を持っていたのです。
そのアドバイスをできる限り尊重し、
日本側の古河電工本社と仕事を整えたら、残業は大幅に減り、
タイ人から信頼されるようになりました。
3、思考の収束
タイ人と日本人のコミュニケーションで課題だったのは、以下の2点。
①言葉の定義が合わず、更にイメージも抽象度の開きが多いから、質問する難しい。
②日本人の言ったことはわからないが、わかったふりして、従っておけば安心。
という思考停止状態にタイ人を導いていました
だから、タイ人の超具体的な意見を抽象化する。
「Aさんが休むと、部材CCの場所がわからなくて困る」と言う愚痴も、
抽象化していくと、仕事が個人商店化しているから、
多能工が育てる提案につながる。
・縦軸の仕事を細分化した作業内容
・横軸の部署の作業員
タイ人が自発的に、マトリックス図を作り、
作業できる欄に○をつけて管理した。
私は、古河電工本社から来る指示を、
作業員一人ひとりがわかる部分まで、具体化。
例えば、日本タイ間の航空便輸送費を削減せよ。
と言う指示。
そのためには、
→特急便を減らす
→出荷回数をまとめてボリュームディスカウントを狙う
そのためには、
→在庫管理を徹底して、輸送タイミングを管理する
→在庫管理するためには、工場の生産計画を理解する
→生産計画を理解するためには、受注見通しを理解する
その結果、タイ工場の一作業員が、
古河電工日本の受注にも関心を持って仕事をするようになり、
僕の駐在員生活は、当初1年の予定を半年で切り上げて帰国することができました。
つまり、タイ人でも理解できる階層まで、
具体的な説明をしてあげて、
日本人が会話する階層と線で結ぶ。
その結果、タイ人は古河電工日本のことまで理解して、
日本タイのメンバーが一致団結し、
気持ちよく仕事に取り組めるようになったのです。
本年も、引き続き、一般社団法人日本図解協会の
ご指導・ご支援をよろしくお願い申し上げます。
代表理事
多部田憲彦